美術の旅人

よねひと

野中光正&村山耕二展のご案内をさせていただきます。(11/20~12/1) 杜の未来舎ぎゃらりい

よねひと



当ギャラリーで2013年より毎年開催してる秋保のガラス作家村山耕二氏と東京元浅草の画家野中光正氏とのコラボーレーション企画のご案内です。野中氏との繋がりは、20年前、私がギャラリーの仕事を始めた頃に同じ米ヶ袋町内で絵画教室をしていた方から東京にこんな作家さんがいるがとのご紹介を受けて、早速上京して元浅草のご自宅に伺ったのが始まりでした。

野中氏のご自宅は、戦前は日本のモダニズムの発祥の地だった浅草に似つかわしい戦後まもなく建てられた鉄筋コンクリートのモダン住宅でした。彼は何十年もの間その一室をアトリエにして、午前中に一枚の抽象画(かつては木版画をベースにしたメディアミックス)を仕上げるのを日課にして製作を続けています。

氏の作品には、長い間の経験を通して培った、ブラシタッチと版画の熟練の技法があります。多くの絵画はそうした造形的な営みは擬似的世界を作為するために用いられていますが、氏にとっては色彩が生み出す純粋な美の世界との偶然性も伴った邂逅が喜びであり、創作の原点であり目標点になっています

一方、村山氏は、近年地球の内部で自然物である石が変容しつつガラスを生み出すメカニズムに着目して、探究的実験的な営みを作品化してきました。しかし、一方美的な造形作品として成立させるためには、形態との格闘が避けて通れません。今回の展示は、造形作家としての原点に帰って、熱で変容し続けるガラスのうちに、既成の形ではない、美の形を捉える、作家の卓越したセンスが純粋に現れた作品が見られるものと思っている。

一切の物語を廃して色彩とかたちという造形の純粋要素を追求する仙台と東京の二人の作家が偶然にも出会い、心の通じ合う友人としての交流が始まり、東京や新潟のギャラリーでの二人展開催にも結びつくこととなった。この仙台での杜の未来舎ぎゃらりいでの展示会も震災を挟んで14回を数えることとなった。目による新鮮で純粋な美的体験が多くの人に与えられることを祈っております。


野中光正 色彩という存在の手応え。

目の前に流れ落ちる滝がある。これを周りの景色を省いて、滝の命と力そのものを描こうとすると、野中氏流の作品になるのではなかろうか、とふと思う。それは日々心の中を流れ落ちる滝でもある。そこには曖昧さと確かさが交差する心中に奏でられた音楽が写し取られている。
水平と垂直方向の矩形のみのミニマムな空間構成に、強弱自由自在なブラシタッチが踊り、そこに他に変え難い純粋な色が、確かな物質感を持って彼方から降りてくる。あたかも体を打つ滝のように。この啓示にも似た強い存在の手応えを待って、画家は50年以上の月日を重ね、描き続けてきたのだろう。

MIXED MEDIA NONAKA MITSUMASA
1949年東京都鳥越生まれ、現在元浅草在住。78年木版画展(現代版画センター)、84~95年ゆーじん画廊(東京)、89-91年新潟高柳町移住、紙漉きを学ぶ、2001年~新潟絵屋、2009年〜杜の未来舎ぎゃらりい(仙台)、2010年〜ギャラリーアビアント、2011年~ギャラリー枝香庵(以上東京都)などで毎年個展開催。制作を午前中の日課にして、日々淡々と門出の和紙を支持体にした抽象作品を作り続けている。

●野中光正在廊日 11/23(日)~24(月)作家を囲む茶話会 23日14時〜16時

永遠の今を留めるかたち。

野中氏が「色彩」なら、村山氏は「かたち」において「永遠の今」を留めることを志向している。聖書には、神の臨在の幕屋を建てる上で多様な「心に知恵のある」工芸家を召集したと書かれている。まさしく、二人は彼らと同じ魂を生きている。村山氏はガラスの原点を巡って、地球の歴史を遡る実験的でラディカルな試行錯誤を続けてきたが、今回はシンプルに「かたち」の世界に回帰した作品を展示する。既成の「かたち」の概念に寄りかからない、美を感じる心を通した、自由で純粋な形態の世界を楽しんでほしい。

GLASS WORKS MURAYAMA KOUJI
1967年山形市生まれ。1996年仙台市秋保に海馬ガラス工房設立。2007年モロッコ王国・王室への作品献上。土地土地の砂の特質を生かしたユニークな造形作法で知られる。

画家/木版画家 野中光正|絵画/油絵/油彩画作品販売
画家/木版画家 野中光正の木版画/絵画作品を展示販売しています。