美術の旅人

よねひと

本田健氏の縄文の炎・藤沢野焼祭2015開催ポスター 

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昭和51年に考古学者の故塩野半十郎氏の指導を得て、縄文の野焼を再現したことをきっかけにはじまった藤沢野焼祭も今年で開催40年を迎える。そのポスターが昨日届いた。今年のポスターは、遠野在住で田園や野山を写実を極めて描いた巨大な鉛筆画(岩手県美術館所蔵)で知られる画家本田健氏が下絵を描いている。大きく空に向かって広がる煙と炎を中心に、俯瞰の構図で参加する人々、一人ひとりの思い思いの姿がブリューゲルの絵のようにいきいきと描かれ、多くの人々の熱いモチベーションが集まって炎を燃やすこの祭りの魅力と真実を何よりもよく伝えるものになっている。なんと画家は制作に1ヶ月を要したと言う。しかし、背景となる年月はもっと長い。窯焚きボランティアスタッフとして毎年参加し、この炎と人の熱気の渦に実際に身体を浸した人でないと描けない、魂の記憶庫から出てきたような絵だと思う。写真から起こしたようなものでは、当然、ない。ポスターとしてみれば、結局はデザイン記号に抽象化することで肉体や感情を脱色してしまう結果になってしまっている、多くの「洗練された」モダンデザインへのアンチテーゼになっている。本田氏は彼の絵画作品と同様に、このポスターにおいても「ここからでないと健康になれないよ」というプリミティブな魂と、描くことの原点を示している。

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