美術の旅人

よねひと

忘れられた巨人シリーズ Kirsten Dirksenのyoutube映像から

よねひと
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トップ映像の野原や森林のあちこちに置かれたいろんなポーズの巨人像にまずびっくりした。登ったり、滑り台にしたり、くぐり抜けたりして、夢中になって遊んでいる子供たちの姿が見られる。もっと驚くのは、これら6つの魅力的な巨人像がすべてコンテナなど廃材のみで作られていることだろう。

デンマークのトマス・ダンボ(と二人の従業員)は、通勤途中はもちろん、ビッグシティ、コペンハーゲンの街中のゴミ集積場所や大きなゴミ箱や建築現場、マーケット、フェスティバル会場などを漁ってあらゆる使えるゴミを集めてくる。運転免許をとる時間もトラックを買う金もないので、それらを運ぶのはもっぱらリアカー付きの自転車である。

ワークショップのための倉庫には、それらありとあらゆるところから集められてきたマテリアルが、種類別に本当に実に綺麗に合理的に整理され保管されている。中には彼の祖母が一年間かかってためてくれたプラスチックの食品コンテナもある。これらを使って多様なリユース製品を作って売っているが、それら製品の一つ一つは、トマスが詳しく出どころを含め紹介しているので映像を見てほしい。

プラスチックは、彼に言わせれば丈夫で可塑性を持ったアメージングなマテリアルだそうだ。それをパーツに解体して作った動物や人のスカルプチャ(無許可でゲリラ的に街角に設置して歩いている)は、元がプラステイックゴミとは思えないアート的にも素晴らしい出来ばえだ。子供達にも100パーセントリサイクル素材で作られたクリスマスビレッジなどイベントや学校のワークショップを通して、リサイクルの必要性と楽しさを教えている。

2016&17年にはそれら活動の集大成だったのだろう。河畔にテーマパークLIMBO PARKを作り上げた。あらゆるリサイクルゴミに再びクオリティを与えるその芸術的センス、無尽蔵のアイデア、そして活動を多方面に市民を巻き込んで継続的に展開し、社会に浸透させているエネルギーとパワーにはほとほと感心する。同じゴミ問題を抱える日本にも、彼を真似するポリシーを持ったリサイクル業者やポジティブなアーティストが現れないかなあと思う。

何年か前からKirsten Dirksenのyoutube取材映像をアップロードされるごとに見逃さずに見ている。以上に取り上げたのはその映像の一つである。ここには、スマフォを片時も手放せない人や漫然と評判のラーメン屋に長い列を作っている人は決して登場しない。皆、世の通勢に流されず、また既存組織などに依存せずに、自分で生き方や暮らしを考え選んで、たくましく生きている自立した個人である。

Kirsten Dirksenがどういう人かはまったくわからない。ただ、名前からするとドイツ系あるいはスウェーデン系のアメリカ人のようだ。おそらくこのビデオの実質的にはプランナーであり、ディレクターであろう、夫とともに、ビデオカメラを回して、世界中を飛び回って(日本にも何度か来ている)、自分たちが面白いと思ったユニークな生活を実践している人を取材してyoutubeにアウトプットしている。主役の登場人物に、バック音楽なしでそのままもっぱら語らせて、余計な誇張した編集をしないのがいい。初めは二人だったが、途中からよちよち歩きの幼児が加わり、それも姉、弟となり、最近の映像では姉の方は、小柄な母親と見間違うほどの背丈になってきた。